わっふるぶろぐ

わっふるが日々の出来事をただただ書いていきます~

公正世界誤謬

あなたは「信じる者は救われる」と思うだろうか。また、良いことをすれば報われ、悪いことをすればバチが当たるのだろうか。

「公正世界であるこの世界は、全ての正義は最終的には報われ、全ての罪は最終的には罰せられる」という信念を公正世界信念という。公正世界信念の保持者をここでは仮に公正世界信者と呼ぼう。そして、公正世界信者は非常によい人生を送っていることが研究により立証されている。

公正世界信者は生活満足度と幸福感が高く、抑うつ的な感情が低い。また、公正世界信念が心理的なバランスや長期目標を維持する基盤となっている。そして、公正世界信者は行動が利他的であり、ボランティアや身体障害者に対して積極的な援助をする傾向があるという。

では、公正世界信者になるとよい人生を送られるのだろうか。私はそんなことないと思っている。それには虚偽の原因の誤謬が関係している。

 

waffle202.hatenablog.com

 

公正世界信者になるとよい人生を送られるわけではなく、すでによい人生を送っている人の中に公正世界信者が多いだけである。性別や人種などの違いに関する研究によれば、黒人とアフリカ系アメリカ人の公正世界信念のレベルが最も低いらしい。生活レベルが低く、今日を生きるのに精一杯の人は、この世界の残酷さと不公正さをよく理解している。

私は、公正世界信念は不公正な出来事に対する解釈の仕方に問題があると思っている。よく取り上げられるのは犠牲者非難だ。罪のない人々が苦しんでいるという不公正な現実は公正世界信念に矛盾する。このとき、認知的不協和を起こし、「実は彼らは前世で悪い行いをしたのだ」という新たな認知を追加する。濡れ衣を着せられ、他人から責められる。これはまさに、公正世界信者が世界の不公正さをより強調している「因果応報」は最もくだらない四字熟語ではないだろうか。

また、公正世界信念は非科学的である。公正世界信者はこの世界を輪廻転生、大宇宙の正義、運命、摂理などで説明しようとする。この考え方自体は自分を納得させるのに十分役立つ。しかし、現在、世界の仕組みを真に説明できる可能性があるのは科学のみである。公正世界信念は現実逃避でしかない。

結論。あなたがもし公正世界信者なら、世界は平等に見え、よい人生を送っているのだろう。公正世界信念は公正世界誤謬ともいい、本当はただの思い込みに過ぎないが、その信念を曲げる必要はない。あなたは、今の充実した生活に感謝すべきだ。また、あなたが公正世界信者でないなら、公正世界信念を持つ必要はない。これからよい人生にしていけば、世界は平等に見えてくるのかもしれない。