わっふるぶろぐ

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馬鹿に付ける薬はない

「タバコは百害あって一利なし」と言うが、禁煙しろと百回言って一度もやめない人もいる。ノースカロライナ州に住む43歳のゲイリー・アレンもその一人だったのだろう。2012年2月、ゲイリーは整備士の友人のアパートにいた。台所で謎の液体が入ったボトルを見つけ、アルコール飲料だと思って飲んだら、それはガソリンだった。彼は慌てて吐き出したが、服がガソリンまみれになってしまった。そして、口直しのためか、口内も服もガソリンまみれであるにもかかわらず、ゲイリーはタバコに火をつけてしまった。アパートでは火災が発生し、駆けつけた消防士は、焦げたカーペットの上に座っているひどく火傷した男性を見つけた。翌朝、ゲイリーはチャペルヒルの病院で亡くなった。

コロラド州に住む58歳のマイケル・セクソンの事例はさらにわかりやすい。2020年2月、マイケルはとある冒険記に記された秘宝を発掘するため、友人を連れてユタ州コロラド州にまたがるダイナサウルス国定公園に出かけた。しかし、彼らは宝物を見つけられず、険しい山地で遭難してしまった。寒さに震えながら死にかけていた彼らは、幸いにも山岳救助隊に救助された。九死に一生を得たマイケルだったが、一ヶ月後、彼らは二度目の挑戦に出かけた。新型コロナウイルスの流行により、ダイナサウルス国定公園は断続的に閉鎖され、険しい山地は避けよと警告されていたが、マイケルは探検をやめなかった。そして、再び幸運がやってくることもなく、助けが来る頃には、マイケルは既に生き絶えていた。

ゲイリーとマイケルは極端な事例だが、あなたの周りにも、再三にわたる勧告にもかかわらず、それを一切聞き入れない愚か者がいるのではないだろうか。愚か者と一口に言うのは大げさかもしれない。ここでは、誰もが持っている愚かな側面について話そう。

あなたは、相手の愚かさが見るに耐えないのだろう。かく言う私も、愚行をやめず、言っても聞かない人を見て、無性に腹を立てていた。しかし、あなたに相手の愚かな側面を矯正する義務はない。どれほど迷惑でも、見苦しくても、相手の愚かさを直そうとしてはいけない。あなたに必要なことは、相手を粛正することではなく、あたたかく見守ってやることなのだ。

また、愚か者に制裁を加える必要もない。あなたが手を加えずとも、愚かさというのは自分自身を苦しめる。遊び呆けていたことを今さら後悔する受験生、決してプランを変更しなかった上司、そして、最終的に死んでしまったゲイリーやマイケル。

結論。馬鹿に付ける薬はない。馬鹿を診察し、薬を処方しても意味はない。つまり、あなたは馬鹿の主治医になる必要はないのだ。相手の愚かな側面が不治の病だった場合、本人も気づかず病に苦しんでいる。あなたにできる精一杯のことは、この上ない慈悲を与えてやることだけだ。