第11章では、懐かしのリレーを組み合わせて論理ゲートを作る方法が説明されています。リレーについては第6章で詳しく解説しました。
リレーは、第6章では弱くなった信号を増幅するために使いましたが、ここでは電気で制御できるスイッチとして使います。リレーとは、次のようなものでした。
スイッチがオフのときは電球は点灯せず、オンのときはコイルが金属棒を引き下げて電球が点灯します。
また、上の金属接点と電線をつなぐと、スイッチがオフのときは電球が点灯し、オンのときは電球は点灯しません。
リレーは、入力がスイッチである必要はなく、出力が電球である必要もありません。よって、次のように、他のリレーの出力が入力になり、出力が他のリレーの入力になってもいいんです!
それでは、リレーをうまく組み合わせて、電気で制御する様子を見ていきましょう!
まずは、リレーを↓のように直列につなぎます。
両方のスイッチが開いているとき、電球は点灯しません。また、片方のスイッチを閉じただけでも↓のように点灯しません。
しかし、両方のスイッチを閉じることで電球は点灯します。
どちらかのスイッチがオフ(0)のときは電球が点灯せず(0)、両方のスイッチがオン(1)のときのみ電球が点灯(1)します。これはまさに、第10章で紹介したブール代数のANDと同じです!
直列につながれた2つのリレーはANDゲートといいます。
次に、リレーを並列につないだ場合は次のようになります。両方のスイッチが開いているときのみ電球が点灯しません。
どちらか一方でもスイッチがオン(1)のとき、電球が点灯(1)するので、これはブール代数のORに相当します。
並列につながれた2つのリレーはORゲートといいます。
この章では、あと2つのゲートを紹介します!
次のリレーは、両方のスイッチが開いているときのみ電球が点灯します。
これはORと挙動が逆になってます。これをNOR(NOT OR)といい、このリレーをNORゲートといいます。
最後のリレーは、両方のスイッチを閉じているときのみ電球が点灯しません。
これはANDと挙動が逆になってます。これをNAND(NOT AND)といい、このリレーをNANDゲートといいます。
以上の4つの論理ゲートをまとめると次のようになります。
この本では、他にもいくつかのゲートが紹介されてます。気になる方はぜひ購入して読んでみてください!
第12章では、スイッチ、電球、電池、電信のリレーをつないで加算器を作る方法を紹介します!