わっふるぶろぐ

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虚偽の原因の誤謬

以下の三つの因果関係について考えてほしい。

  • あなたは今、目の前を何台も通過する消防車と救急車を見ている。あなたはきっと、大規模な火災が起きたに違いないと考えるだろう。出動する消防士の人数が多いほど、火災の規模は大きいことは経験則で知っている。では、消防士の人数を減らせば、火災は小さくなるのだろうか
  • ハーバード大学の研究によると、コーヒーを毎日数杯飲む人は、全く飲まない人と比べて自殺率が50%も低くなるという。これはおそらく正しい統計結果なのだが、この場合、コーヒーを飲むことがうつ病の予防になるのだろうか
  • あなたは正月のおみくじで大吉を引いたとしよう。その年の年末、一年の総括をすると、重い病に罹らず、仕事で成功し、新たな恋人に出会えた。さて、おみくじの結果によって、その年の運勢が決まるのだろうか

科学や統計学の世界では、「相関関係は因果関係を含意しない」という語句がよく使われる。相関関係があるだけでは因果関係があるとは断定できないという意味だ。そして、そのことに気づかず先ほどのような誤った因果関係を主張することを虚偽の原因の誤謬(ごびゅう)という。では、どうすれば虚偽の原因の誤謬を回避できるのか。その因果関係が正しいかどうかは、以下の三つの可能性を検討するとよい。

一つ目、因果関係が逆転している可能性がある。消防士の人数を減らせば、火災は小さくなるのではなく、火災が小さければ、消防士の人数が少なく済むのである。

二つ目、他の要因が二つの共通原因である可能性がある。うつ気味でなく生活が安定している人は、コーヒーを飲む余裕があるし、自殺をしないだけである。

三つ目、それは偶然の一致の可能性がある。その年の良かった出来事だけを見て、それを大吉を引いたおかげにするのは間違っている。

結論。虚偽の原因の誤謬はあらゆる問題に誤った結論を出してしまう恐れがある。何か因果関係を見つけたときはこの思考の誤りに注意しよう。