わっふるぶろぐ

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自分の基準の適用範囲

突然だが、あなたにこの問題を解いてほしい。

「何人集まれば、その中に誕生日が同一の二人がいる確率が、50%を超えるか。」

ちなみに、一年は365日(閏年を除く)であるため、366人集まれば、確率は100%となる。一体何人必要なのか、この先を読む前に、直感で答えてほしい。

 

これは、「誕生日問題」という有名な問題である。私がこの問題を問うと、多くの人は100〜300人の間を答える。おそらく、あなたもこの範囲の人数を答えたのではないだろうか。しかし、残念ながら、正解は23人である。70人も集まれば、確率は99.9%を超え、同じ誕生日のペアがほぼ確実に存在する。では、なぜ直感に反した結果になったのだろうか。それは、あなたが自分を基準にしてしまったからである。

あなた以外の22人がいるとき、あなたと同じ誕生日の人がいる確率は50%よりずっと低く、約6%しかない。このとき、50%を超えるには、253人が必要である。あなたはこれを答えとしてしまったのだ。しかし、実際は、あなた以外の人同士の誕生日が同じである可能性がある。あなたが学生だった頃を思い出してほしい。あなたの同級生で、あなたと同じ誕生日の人はほとんどいなかっただろうが、誕生日が同じ二人組みは(双子がいれば確実に)いたはずだ。

私たちは、自分を基準に物事を考えてしまう。客観的なデータが必要な物事に対しても、まるで、あなたの基準が世界の基準であるかのように、判断を下してしまう。あなたの基準は、客観的な事実を求める際には(特に統計学の分野では)、絶対に適用してはならない。しかし、悲しいかな、この世界にはそれを理解してない人が多すぎる。

私の知り合いも、好きな芸能人と誕生日が同じであることを誇らしげに自慢していた。その人からすれば確率1/365の奇跡なのだろうが、この世界には、同じ誕生日の人が約2000万人もいる。その知り合いは、その内の一人でしかない。また、いとこの赤ん坊の写真を見せられ、世界一愛らしい存在であることに同意を求められたことがある。私から見れば、ただの日本人の赤子であり、世界一からは程遠い。

結論。以前にも言ったように、あなたはあなたの基準を大切にすべきである。しかし、あなたの基準の適用範囲はあなただけに収めるべきだ。あなたの基準を、統計的分析や他者の合意を求める際に適用するのは間違っている。そもそも、仕事でもない限り、他人から認めてもらう必要などない。あなたの赤ん坊を愛する人は、あなただけで充分だ。