わっふるぶろぐ

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ギャンブラーの誤謬

1913年8月18日、モンテカルロのカジノで信じられないようなことが起きた。ルーレットゲームでなんと、26回連続でボールが黒に入ったのだ。ルーレットに偏りやイカサマがないとすると、26回連続でボールが同じ色に入る確率は6660万回に1回であり、非常に稀なケースである。そして、黒が20回ほど連続して出た頃、「黒が連続して出たのだから、次は赤が連続して出るはずだ」と推測したギャンブラーは、黒以外に賭けた数百万フランの大金を失った。

では、ここで問題である。コイントスを5回繰り返す試行を考える。この場合、5回連続で表が出る確率はいくらか。中等教育段階の数学を忘れていなければ、1/32であることがすぐにわかる。では、4回連続で表が出た後、裏が出る確率はいくらか。この場合も当然、1/32である。

重要なことは、これらの事象は独立であるということだ。つまり、過去の試行の結果は、将来の試行の結果に影響を与えない。今回の件で言えば、たとえ黒が20回連続で出ても、次に黒が出る確率は、これまでと同じく50%である。そのことに気づかず、「運命をプラスマイナスゼロに調整する力」を信じてしまうことをギャンブラーの誤謬という。

おそらく、あなたは賭け事などせず、ソーシャルゲームでガチャを引くようなことはしないのかもしれない。しかし、ギャンブルに限らず、人は何事も最終的にはプラスマイナスゼロになると考えてしまう。以前にも、公正世界誤謬というものを紹介した。

 

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結論。人生は偶然に満ちており、運に頼らざるを得ない場面が多い。そして、あなたに不運な状況が続いても、この先幸運が訪れるとは限らない。私も最近まで、「若い頃に大変な思いをしたのだから、これからはよい人生になるに違いない」という錯覚に陥っていた。